「ジェンダー」(gender)は、社会的・文化的につくられた性差を表す言葉です。日本社会には、ジェンダーバイアス(ジェンダーに基づく偏見)が多くの場面で見られ、一人ひとりの可能性や選択肢をせばめてしまうこともあります。性別による固定的な意識・偏見や差別をなくし、多様性を認め合い、誰もが能力を発揮できる「ジェンダー平等」な社会をつくりましょう!
「ジェンダー・ギャップ指数(GGI)」は、WEF(世界経済フォーラム)が発表している各国の男女間格差を数値化したものです。2021年3月発表データでは、日本は156カ国中、120位。「ジェンダー平等」社会の実現に向けた取り組みが必要です!
*「ジェンダー・ギャップ指数(GGI)」は、経済、政治、教育、健康の分野ごとに指数(スコア)を算出しており、1に近いほど完全平等を表しています。
順位 | 国名 | 値 |
---|---|---|
1 | アイスランド | 0.892 |
2 | フィンランド | 0.861 |
3 | ノルウェー | 0.849 |
4 | ニュージーランド | 0.840 |
5 | スウェーデン | 0.823 |
11 | ドイツ | 0.796 |
16 | フランス | 0.784 |
23 | 英国 | 0.775 |
24 | カナダ | 0.772 |
30 | アメリカ | 0.763 |
63 | イタリア | 0.721 |
102 | 韓国 | 0.687 |
120 | 日本 | 0.656 |
*世界経済フォーラム ジェンダー・ギャップ・レポート2021(https://jp.weforum.org/reports/global-gender-gap-report-2021)
2016年に連合が実施した「連合LGBTに関する意識調査」では、LGBT*などの当事者は約8%。12〜13人に1人は性的少数者と言えます。
連合では、性のあり方の多様性を認める社会をめざし、SOGI*に対する認識を深めること、職場でのSOGIに基づくハラスメントをなくすための活動に取り組んでいます。
*LGBT
性的少数者を表す言葉で、頭文字の意味は以下の通り。
*SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)
「性的指向(好きになる性)」、「性自認(心の性)」を表す言葉。異性愛の人も含む「すべての人が持っている属性」を表す略称。
*連合「LGBTに関する意識調査」(https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20160825.pdf?0826)
厚生労働省の調査では、2000年以降、男女間の賃金格差は少しずつ縮まっていますが、その歩みは遅く、2020年時点での男女間の賃金格差は、男性を100とした場合、女性は74.3となっています。
日本の男女間賃金格差は、諸外国と比較しても大きく、OECDの統計データでは、世界で2番目に格差の大きい国となっています。
男女間の賃金格差の主な要因は?
長年の慣行や従来型の人事・賃金制度の結果、このような問題をもたらしています。賃金格差是正のため、実態把握と公正な人事・賃金制度への改善に取り組みましょう。
*ジェンダー・バイアス
「女らしさ」「男らしさ」など、男女の固定的な観念にもとづく偏見・差別
*アンコンシャス・バイアス
「無意識の偏見」のことを言い、「無意識のうちに偏ったものの見方」をしてしまうことや「思い込み」のこと。
社会のあらゆる分野で「ジェンダー平等」を進めることが、雇用・労働の場でも、だれもが働きやすく・能力を発揮できる職場を形成します。そして、多様性が確保された共生社会の実現につながります。
連合と連合近畿地方ブロック連絡会(2府4県)の地方連合会では、クリティカル・マス*を意識した女性参画をめざす「ジェンダー平等推進計画」を策定し取り組みを進めています。
*クリティカル・マス
集団の中で特定のグループが影響力を行使し得るようになる一定の割合のことを言う。女性参画の分野では30%と言われている。