労働組合「連合」は、運動方針に「ジェンダー平等の実現」を掲げ、職場、家庭、学校など社会の隅々に「ジェンダー平等」が息づく日本をめざして活動をしています。
世界の潮流は「2030年までに意思決定の場への女性参画率50%(203050)」の達成です。性別に関わりなく、誰もが安心して働き、能力発揮ができるジェンダー平等な社会づくりのために、私たち一人一人ができることから始めましょう!
●日本は国際社会と比較しても、男女間の格差が大きい国であるということを知っていますか?世界経済フォーラム(WEF)が毎年公表している「ジェンダーギャップ指数(GGI)」では、日本は146か国中116位(2022年公表)。世界の主要国の中では最下位です。
「政治」「経済」「教育」「健康」の4つの指標などから算出される順位ですが、日本は特に経済活動や政治への参画度が低いことが指摘されています。
●日本で働く男女労働者の賃金も、男性一般労働者の給与水準を100とした時の女性一般労働者の給与水準は75.2であり、依然として格差があります。
これは、勤続年数の違いや管理職比率などが影響していますが、何より固定的な性別役割分担意識が根強く残っていることも大きな要因です。
★働く場などでの男女間の格差をなくしていくためには、長年の職場での慣行や人事・賃金制度をジェンダー・バイアス*のない公平・公正なものに変えていかなければなりません。
性別による仕事や職務の違いはないか? 男女間の偏りがないかなどの実態を把握して、制度やルールを改正していきましょう!
*ジェンダー・バイアス
男女の役割に対して固定的な思い込みや偏見を持つこと。固定的性別役割分担意識によって社会的な評価や対応が差別的になること。
●仕事と家庭生活やプライベートの時間をバランスよくとること、「ワーク・ライフ・バランス」の実現は、仕事を継続し充実した人生を送るための大切な視点です。
日本では、アンコンシャス・バイアス*により、育児・介護などのケアワークや家事労働の責任は女性に偏っており、女性の就業継続率にも大きく影響しています。
*アンコンシャス・バイアス
本人が気づかない偏ったものの見方や、ゆがんだ認知のことで、「無意識の偏見や思い込み」のこと。例えば、年齢・性別・学歴などの属性だけで人を判断したり、家事労働は女性が担って当たり前というような意識は、アンコンシャス・バイアスである。
★2022年より育児・介護休業法が改正され、男性も育児や介護により参画しやすい社会環境が整備されています。仕事も家事も男女でともに分かち合い、ワーク・ライフ・バランスのとれた生活をめざしましょう。
●連合が全国で実施している労働相談でも、ハラスメントに関するものが最も多い状況が続いています。ハラスメントは、被害者に精神的・身体的苦痛を与え、離職や休職に追い込まれるケースもあります。またそのような行為が周囲にも不快感を与え、就業環境全体を悪化させます。
★職場でのハラスメントには、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメントなどがありますが、いずれも労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法、育児介護休業法のなかで事業主の防止措置が定められています。
働く仲間がお互いに人格や尊厳を守り、だれもが良い環境のなかで能力を発揮して働くことができるよう、ハラスメントのない職場を作っていきましょう。
●連合はその運動方針の中で「年齢や性、国籍の違い、障がいの有無などにかかわらず多様性を受け入れ、互いに認め合い、だれ一人取り残されることのない社会をめざす」としています。
性のあり方も多様であり、連合が2016年に実施した「連合LGBTに関する意識調査」では、LGBT*など性的少数者の割合は約8%となっています。
★性のあり方の多様性を認める社会をめざし、SOGI*に対する認識を深めること、働く場でのSOGIに基づくハラスメントをなくすための活動に取り組みましょう。
また、属性による差別をなくし、人権が尊重された、だれにとっても働きやすい職場づくりを進めましょう。
*LGBT
性的少数者を表す言葉で、頭文字の意味は以下の通り。
*SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)
「性的指向(好きになる性)」、「性自認(心の性)」を表す言葉。異性愛の人も含む「すべての人が持っている属性」を表す略称。
*連合「LGBTに関する意識調査」(https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20160825.pdf?0826)
☆連合「Action2023春季生活闘争 ジェンダー主流化への道」リーフレット(PDF)
☆連合労働相談ダイヤル
フリーダイヤル0120-154-052